中空

2004年5月31日 読書
ISBN:4043731027 文庫 鳥飼 否宇 角川書店 2004/05 ¥660

何十年か1度開花するという竹の花を見に、写真家の猫田夏美と大学の先輩の鳶山が、陸の孤島のような山奥にある竹茂村を訪れます。

竹茂村は、20年前にある事件が起きて7世帯になったものの、はるか平家の時代から8世帯を保ち、老荘思想にしたがって暮らし続けている不思議な村。

そして、猫田たちが訪れたのが引き金になったのか、竹茂村で、連続殺人事件が起こりはじめます。

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このところ、ミステリー小説はごぶさたになってましたが、久々に読んでみました。

きっかけは、帯に綾辻行人の「心地好いバランス感覚で創られた本格ミステリーの秀作」って書かれていたこと。
私、バランス感覚って言葉に弱いんです。
琴線にふれるバランス感覚って、なかなかあるようでない。
小説でも音楽でもなんでも、ちょっとバランスが狂うだけで、自分にとって駄作になってしまったりするので、そのあやういところもタマラナイです。

はたして、「中空」のバランス感覚は、琴線にふれるだろうか?
結果、触れそうで触れなかったけど、なかなかおもしろかったです。

まず、山奥の不思議な村って設定が、ズンズンきました。
しかも、車で村まで入れない極めて不便なところだけど、「そして誰もいなくなった」式の、どうしても出れないっていう設定じゃないところが、面白いところ。

老荘思想とその村を支えている「竹」とのつながりも、とても興味深く読みました。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★

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