ISBN:4594018343 文庫 アン・ライス 訳:柿沼 瑛子 扶桑社 1995/10 ¥652

アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルズの第3弾。
前作「ヴァンパイア・レスタト」の続きです。

ヴァンパイア界のやんちゃ王子・レスタトは、自伝にてヴァンパイアの秘密を暴露し、ロックバンドを結成。
アルバムを発売しましたが、その歌声が、長い間休眠状態であったすべてのヴァンパイアの母である女王・アカシャを目覚めさせてしまいます。
そしてアカシャは、雑魚ヴァンパイアを皆殺しにするという暴挙に出て、レスタトのバンドのライブを行った後、レスタトを誘拐します。

女王は、お気に入りのレスタトをそばにおき、新しい世界を作るべく、人間に対する破壊行為を始めます。

一方、かなり歳を重ねたヴァンパイアとレスタトの周りのヴァンパイアは、アカシャの攻撃から逃れ、一同集合。
そして、謎の双児の夢を見続ける人間と老ヴァンパイアたちは、女王のたくらみを阻止しようとしますが、女王アカシャを殺すことは、並み大抵のことではなく、さらにその血を受け継いでいるすべてのヴァンパイアを殺すことになるので、そこが難しいところ・・・。
そして...。

******

さしずめ、ヴァンパイア・オールスターズともいえる、なんとも豪華な物語。

「夜明けのヴァンパイア」「ヴァンパイア・レスタト」で登場したヴァンパイアはもちろんのこと、他のベテラン・ヴァンパイアも登場し、その出生が語られるとともに、元々ヴァンパイアという存在が誕生したときの秘密がひとつひとつ明らかになっていきます。パズルがひとつひとつハメこまれていく感じ。

謎をとくキーワードは、双児の存在。
ただでさえ双児って、ミステリアスな感じがしますよね。
ここに登場する双児は、ミステリアスのてんこもりで、ドキドキメーターふりきれ状態です。

そして女王アカシャのエゴイストっぷり、ハンパじゃありません。まさに女王様。ふつうの感覚では想像もつかないことをやらかします!
思いついたら、いてもたってもいられず行動しちゃうようなタイプのレスタトが「やめてくれ」っていうくらい、ものすごいです。

ド派手なスペクタル作品でもありますが、暴力や心の暗黒に対して、いろいろ考えさせられる作品でもありました。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★★

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