ISBN:4594020720 文庫 アン・ライス 訳:柿沼 瑛子 扶桑社 1996/09 ¥632

アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルズの第4弾。

主人公は、我らがやんちゃ王子・レスタトです!
レスタトがまた、やんちゃなことをやらかしちゃいます。

「呪われし女王」で無敵になったレスタトは、前回の事件で知り合ったタラマスカというはるか昔から世の中の不思議を研究している集団の総長である人間デイヴィット・タルボットと怪しい友情をあたためます。

そんなとき、レスタトに魔術を扱う人間ジェームスが接触してきます。ジェームスの魔術とは、人間の魂と魂を入れ替える(肉体を交換できる)ことができるというもの。そしてレスタトに、2日間だけ、ジェームスの人間の身体とレスタトのヴァンパイアの身体を交換しないかとオファーしてきます。

レスタトは、「もう一度人間にもどれる!」「陽の光を見れる」「おいしい食事が食べれる!」といった考えにとりつかれ、デイヴィットやルイの反対を押し切り、ジェームスと身体を交換してしまいます。(レスタトらしい!)

長年人間に戻りたいと希望していたレスタトですが、人間の弱々しさや新陳代謝に嫌気がさして、やっぱり身体を取り戻したいと思いますが、肉体を取り戻す約束の日にジェームスは現れず、どうやら逃げてしまった模様。

レスタトは自分の身体を取り戻すために、ルイに協力を要請しますが、断られ、味方はデイヴィットだけ。この2人でなんとか身体を取り戻すべく、奮闘します。そして・・・。

*****

今回の作品は、レスタトの内部の葛藤について、綿々と綴られていますが、けっこう感激屋で泣き虫なところが、かわいかったです。

ルイに肉体交換について、あらかじめ相談しますが、ルイから快い返事がもらえなかったときにレスタトが言った言葉が、「(協力してくれないなら)泣くぞ」(笑)

そして、もうひとつ魅力的だと思ったところは、レスタトがヴァンパイアのときも人間になったときも、ただ若くて美人だって女性にホレたりしないってことです。
外見よりも、常に内面の美しさを見抜くところが、さすがは200歳(ぐらい?)、ダテに歳とってないね〜って感じ。

そのレスタトの内面を見事に見抜いたのが、今回知り合った犬のモージョー。レスタトに会った瞬間、すぐになついて忠誠心や愛情を示すようになります。

全体的にはレスタトの冒険物語ではありますが、いろいろなところにかわいらしさがちりばめられている作品でした。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★★

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