ISBN:4594035736 文庫  アン・ライス 訳:柿沼 瑛子 扶桑社 2002/05 ¥980

アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルズの番外編。

『ヴァンパイア・レスタト』や『呪われし者の女王』でちらっと登場した、マリウスによってヴァンパイア化された美女のパンドラが主人公の物語です。

ローマ帝国時代に、ローマで貴族として生まれたパンドラ。若い頃人間のマリウスと知り合い恋をし、お互いひかれあいますが、その恋は成就せずパンドラは2回の結婚を経て独身に戻ります。その後政争が起き、単身ギリシャのアンティオキアに逃れることに。

その頃、パンドラは血にまつわる奇妙な夢にうなされるようになり、アンティオキアにてヴァンパイアになったマリウスと再会します。

そして、運命がパンドラをヴァンパイアへと導いていきます。

*******

実はこの本、ヴァンパイア・クロニクルズだと知らないで、以前に買って読んだ本。
単独で読んでもかなりおもしろかったんですが、ヴァンパイア・クロニクルズの本編を読んでから再読すると、登場人物や背景がわかって、さらにおもしろかったです。

例えば、この物語を編纂したのがディヴィッドであったり、ディヴィッドとの会話の中で、他のメンバーの近況が語られていたり。あら、ディヴィットさん、こんなところでこんなことやってたのね〜って感じ^^;

また、魅惑的だったのが、他の多くのヴァンパイアは、なにがなんだかよくわからないまま親ヴァンパイアによって作られていましたが、パンドラの場合は、何か運命に導かれるようにしてヴァンパアになっていったこと。
そして、ヴァンパイアになるまえから、ヴァンパイアになるような予感やシグナルを受けとっていたことです。

ヴァンパイア以外のことでは、ローマ女性の強さや現代女性に通じる精神のようなものも、魅力的に書かれていました。ローマやギリシャの生活もとても興味深かった。

さて、最後にパンドラは、傷付いたままニューオリンズで微動だにしないレスタトに会いに行くと書かれています。
その後がどうなるのか、楽しみ。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★★

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索