窓際の死神

2004年12月25日 読書
ISBN:4575235113 単行本 柴田 よしき 双葉社 2004/12 ¥1,575

「おむすびころりん」と「舌きりすずめ」の二話をモチーフに描かれた寓話ミステリー。

悩み多きOL多美と麦穂の周辺に、死神があらわれた!?

「おむすびころりん」
好きだった男が別の女と婚約し、多美はその女が死ぬところを想像しはじめた。
そのころ、多美は会社の窓際族・島野と話すが、実は島野はその会社の社員ではなく、死神だと告白される。

「舌きりすずめ」
小説を書き、賞に応募を続けながら、OL生活を続ける麦穂。
落選をし続けていたが、そんなときに同僚の片野京美が、麦穂の応募していた賞をとってしまい、麦穂はOLをやめる。
そんなときに、元の会社の社員であった死神の島野が麦穂にアプローチしてきた。

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この作品もある縁があって、読んでみた作品です。
「ワーキングガールウォーズ」に続き、ミステリー仕立てにはなっているけれど、OLの心の悩みや実態みたいなものが、切々と書かれている作品に思われました。

「死神」が出てくるってところは意外だけど、この死神にはまったくにしてイライラさせられました。
たぶん、主人公にとっても、いきなりOLの現実生活に死神があわられるって、全然信じられないと思うけど、ちょっと信じちゃうあたりが、このOLたちの悩みの深さってのが、うかがわれます。

「ワーキングガールウォーズ」の翔子のような強い女性の前に死神が現れても、きっと気づかないんじゃないかな?気付いたとしても、鼻であしらっていたかも^^;

そんで結局死神って、多美と麦穂に強く生きる決心をさせて、記憶を消して去っていきます。
一応、周辺に死人は出てはいるんだけどね。

なんだかな〜。この死神って、死神という職業に適してないんじゃないかと心配になりましたよ〜^^;
なんとなく新井素子の「絶句」に出てきた、宇宙の交通事故を起こしてオロオロしながら空間をねじまげてしまったオジサンを思い出しました。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★

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