龍の黙示録

2005年2月28日 読書
ISBN:4396207115 新書 篠田 真由美 祥伝社 2001/03 ¥920

柚ノ木透子は、26歳のOL。
透子は小さい頃から家族に恵まれず、父の友人であり隣の住人・高階一家に育てられた。高階の娘・翠とは姉妹同然の育ち方をした。
16歳の時に父親が本格的に失踪、しかも高階は借金6000万円の保証人になっており、その心痛が原因か、病死してしまう。
その後、透子は翠に負い目を感じ、なんとか6000万円だけでも、返そうとOLとして働きながら、水商売をしていたが、会社をクビになってしまった。

そんなときに、鎌倉の洋館に住む作家「龍緋比古」の秘書として働かないか?という誘いがあった。
「龍緋比古」はいろいろ謎の多い人物のようだったが、高給にひかれ面接に行ってみると、なんと秘書を募集したことはないと言われ、何者かの策略であることが発覚。

しかし、結局透子は龍の元で働くことになり、その頃から身辺に不思議なことが起こりはじめる。
同じ頃、東京では吸血鬼出没の噂が流れはじめ、どうやら龍や龍の同居人・ライルとも関係しているらしかった。

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吸血鬼ちっくで、びみょ〜に吸血鬼じゃない物語です。
古い洋館などが出てきて、背景はバッチリ私好みです。

吸血鬼をテーマにした小説はいっぱいあります。しかし、たとえばアン・ライスなどは、ヨーロッパやアメリカ・ニューオリンズなどが舞台。
しかし、この「龍の黙示録」は、現代の鎌倉や東京、しかも新宿が舞台になっていて、臨場感や感情移入もしやすく、それだけスリリングでした。

しかし、臨場感が感じられないのが、透子が父親の借金6000万円を働いて返そうとしているところ。
しかも、一人暮らしをしながら、基本はOLとして細々と働きながら返そうとしているところです。いったいいつのことになるやら。
サラリーマンが6000万円の家を買ったとしても、定年までに返すって感じなのに、たしか翠の結婚するまでにキッチリ返そうって言ってなかったっけ?無理すぎ〜。

しかし、透子は普通のOLにはない度胸があります。
翠を助けるために、人間じゃない敵にクイを刺してブチ殺してしまい、さらに人間じゃない龍の同居人・ライルとなんの差別もなく友情をあたためます。
透子は、人付合いは苦手らしいけど、そんだけ度胸があれば、6000万円なんか、なんとかできるかも^^;

あ、龍の同居人の少年のライルは、すごいかわいかったです。
外見は14〜5歳の少年だけど、もう1000歳ぐらいにはなってるハズなんだけどな〜。
よくぞあのピュアさを保ってられるな〜。
それも龍のおかげかも。

くろちゃんの満足度(満点は★5つ):★★★★

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